脾臓にはどんな病気がある?(超音波検査編)

放射線科
Multi-frequency medical device for ultrasound scanner

解剖

脾臓の位置は、左第9~11肋骨の高さで左横隔膜と左腎の間にあります。

大きさと形状は個人差が大きく、

成人の正常重量は80g~120gほど

大きさは10㎝×6㎝×3㎝程度

役割

  • 免疫機能
  • 造血機能
  • 血球の破壊
  • 血液の貯蔵機能
Illu spleen jp.jpg
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%BE%E8%87%93

免疫機能

白脾髄でB細胞、Tリンパ球、形質細胞を成熟させ、血液を増殖の場とする病原体に対する免疫応答の場となる。

 脾摘された人が肺炎球菌やインフルエンザ菌、マラリアなどに感染すると重症化しやすい。

造血機能

骨髄で造血が始まるまでの胎生期には、脾臓で赤血球が作られている。生後はその機能は失われるが、大量出血をした時や骨髄の機能が低下した時は、成人においても血球産生を行います。

血球の破壊

古くなった赤血球の破壊を行う。赤血球中のヘモグロビンを破壊し鉄を回収する働きもある。

血液の貯蔵機能

血液を蓄える機能がある。人間ではそれほど多くの血液の貯留はされないが、犬や馬などの動物では大量の血液が貯留されている。筋肉が大量の酸素を必要とするような運動時には、脾臓から貯蔵されていた血液を駆出することで充分な酸素を筋肉へ送り届けることが出来る。

脾臓の病気

  • 脾腫
  • Gamna-Gandy結節
  • 脾嚢胞
  • 脾血管腫
  • Hodkinリンパ腫
  • 濾胞性リンパ腫
  • 転移性脾腫瘍
エコー検査のイラスト(犬)
エコー検査

脾腫…  

脾臓が腫れて大きくなった状態。

最大径10㎝以上15㎝未満→軽~中等度

最大径15㎝以上    →高度

ほとんどの場合が他の疾患による二次的なもの。

原因は無数にあるため病歴や症状から原因を探ることが重要です。

大きくなった分、血球と血小板をたくさん蓄えるようになるため、血液中の血球と血小板が減り、貧血や出血を起こしやすくなる。

また、胃を圧迫することで、脾腫自体によって早期満腹感が引き起こされることもあります。

Gamna-Gandy結節

〔US所見〕

•脾内にびまん性に多発する点状高エコ―

•音響陰影は伴わない

〔疾患概要〕

•脾臓の慢性出血により、脾被膜や脾柱の動脈周囲に限局性出血が生じ、ヘモジデリン沈着や石灰化が起こる

•突発性門脈圧亢進症や肝硬変症などで認められる

•脾腫を認める場合が多い

脾嚢胞

〔US所見〕

•境界明瞭な無エコー結節

•後方エコー増強する

脾血管腫

〔US所見〕

•境界明瞭

•輪郭軽度不整

•高エコー結節

〔疾患概要〕

•脾の腫瘤性病変の頻度は0.1%と比較的まれ

•良性腫瘤では最も頻度が高い

•肝血管腫と類似する

•肝臓ほど典型的な造影効果をたどらないことが多い

 →怪しい場合は定期的なフォロー

Hodgkinリンパ腫

〔US所見〕

•境界明瞭な低エコー結節

 ※著明なエコーレベルの低下は特徴的

•多発する場合が多い

濾胞性リンパ腫

〔エコー所見〕

•脾嚢胞との鑑別は後方エコー増強の有無で行う

〔疾患概要〕

•脾の悪性腫瘍のなかでは転移性腫瘍と並び最も頻度が高い

•脾原発のリンパ腫は稀

※リンパ腫や白血病の脾浸潤は微小低エコー病変である場合が多く、スクリーニングで用いるコンベックス型プローブでは同定困難な場合がある。疑った場合には高周波リニアでも必ず確認する。

転移性脾腫瘍

〔US所見〕

•原発巣を反映して様々な所見を呈する

•境界明瞭輪郭不整、エコーレベルは様々

•辺縁低エコー帯 ※6割程度にみられる

〔疾患概要〕

•頻度は他臓器への転移と比べ稀で約0.03%程度

•血行性転移が多い

•原発巣は卵巣癌、肺癌、悪性黒色腫、大腸癌、胃癌、子宮癌などがある

•鑑別には悪性リンパ腫、過誤腫、血管腫、リンパ管腫など

血行性以外の転移性脾腫瘍の頻度が低い理由

•脾臓では輸入リンパ管が発達していないこと

•胃からの静脈系は脾静脈に流入して門脈から肝へ注いでいるため脾臓を通過しないこと

•網内系組織であるため免疫学的抗腫瘍効果により腫瘍細胞が生着しがたい

まとめ

普段エコー検査をしていて脾臓の疾患は他の臓器の疾患に比べて頻度は低いですが

疾患を見つけたときは

それがなんなのか?

どういう流れでこうなっているのか?が

わかっていないと関連する疾患に気づくことができなかったりするので

しっかりと勉強する必要があります。

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